遭難

吹雪のスキー場、中上級者コースのスタート地点でレンタルウェアに下はTシャツ1枚というナメきった服装で立ち尽くす。
とりあえず端っこにズリズリと寄って座って何の音もしない、誰もいない真っ白な雪山で連なる山々をみていたらなんだかどうでもよくなった。
レンタルウェアに降り積もる雪をぼーっと見ていたらケツが凍っていた。坊主頭の上で溶ける雪の気化熱で体温がガシガシ削られる。
まずい、これは死ぬ。
そう思って下を見て、どっちにしろこれを滑り落ちても死ぬなあ、と思いなおし、もう一度へたりこむ。
どうしてこんなことになっているのか。転びながら前進、というよりも転ぶ事によって前進することしかできない俺がなぜここにいるのか。
確か菊池くんがリフト降りて左と言ったから、リフトを転げ降りて左に向かったらここに着いたんだった。
っていうかコースを全く把握してないってどういうことなんだろう。まあなんでもいいか。ケツが凍ってて痛い。
俺はおもむろにスノーボードを足に固定しているベルトをはずし、さわやかな笑顔で陸にあがるサーファーよろしく小脇にボードを抱えた。
そのままサクサクと足の裏で雪を捉えながら下山する。スキー場の傾斜を、歩いて。
20分も歩くと、吹雪はさらに強くなってほとんど視界がなくなった。
もはやただの重い荷物になったスノーボードが右手の指の第2関節にミシミシと食い込む。
慣れないレンタルシューズで雪山を降り続けた足も限界が近い。
何も見えない急傾斜で「ここで死んだらちょっとおもしれぇなぁ」と思いながらただただ下へ降りる。
超上級コースの入り口付近まで歩いたところで人に声をかけられた気がした。ついに幻聴まで聞こえるようになったか。
いや、確かに誰かが俺に声をかけていた。男はまっ黄色のウェアに赤十字が描かれたウェアを着ていた。
「どうかされましたかぁ?」
どうみても山岳パトロール的な人です。本当にありがとうございました。
「いや、なんでもないっす!ちょっと間違えてコース、きちゃって!え?そこのリフトで上に上がれ?
すぐ上がります!すんません!はい、はい、あーはい、うぃーす、おつかれさまーす」
と無駄に高いテンションで答えリフトに乗り、ゴンドラで下山しました!


というわけで、大方の予想通り全く滑れるようになりませんでした!
俺ができるようになったのは後ろ向きに立つことと、そのままずりずり降りていくやつだけです。
おかげでぽんふぉ兄さんには迷惑かけっぱなしだった挙句、最終的にはバス待ちの間に飲んでた濁り酒をバッグにぶちまけたりしてしまいました。
大人な兄さんだったからこそ笑って許してもらえましたが、この企画の幹事がイサカさんだったら俺の前歯は全部なかったでしょうね、今頃。


とはいえ、幼稚園以来に雪山に行ったり、高速バスのつらさを再確認したり、グロッキーな菊池君が見れたり、
山形でまちぽが仮免落ちた時以来のしゅうさんの静かな毒舌が見れたり、楽しかったです。


滑れてないとは言え、一応スノーボードを履いてゲレンデにいたのですごく体が痛いです。
フットサルといい、これといい、無名大ってこんな集団じゃなかったのに!!
なんなんですか、これは!モーヲタ!!関係ない!!!
まあこれはこれで楽しいんですけれども。


今週末はやっとスポフェスですか。今年初めてモーニング娘。が見られます!!これは行くしかないです。
秋葉原アニメイトで買った苺ましまろの体操着を着る絶好の機会です。