10期バスツアー日記~三途の遊園地編~

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後 10期バスツアー日記~地獄の底編~ - 🍣

FUJIYAMA

「富士急ハイランドに異常な執念を燃やす男(以下単に「男」と表記する)」に先導されて俺と同室のおじさん3人はFUJIYAMAの前までやって来ました。まだ他のオタクはあまり園内に入っておらず、かなり最初の方に着いたようでした。この夜の富士急イベントをざっくり説明しますと「10期メンバーがそれぞれ決められたタイムスケジュールで色んな場所に現れるのでお好みのメンバーやアトラクションを楽しんでね!」というモノでした。なんだそれは、夢か。夢なんだけど。我々が着いた時、FUJIYAMAの入り口前には飯窪春菜さんがポツンと一人で立っており、その周りにスタッフやおそらくDVD用の映像カメラマンが3人ほど居ました。他の場所で待機予定の石田亜佑美さんも場所移動中でFUJIYAMAの前におり少し話せました。夜の遊園地に普通に10期メンバーがおり、不思議な気持ちになりましたが、あまりに不思議過ぎてちょっと現実感が無くなってしまい逆に普通に話すことが出来ました。夢を夢だと認識出来たのでなんでも出来たのです。明晰夢。「男」は「ちょっと待って下さい、この状況めちゃめちゃオイシイじゃないですか!」などと言いながら一直線にFUJIYAMAに乗りに行ったので俺も続きました。飯窪春菜さんは「え!?最初からFUJIYAMA乗るなんてすごくないですかー?えー、すごーい」などと言っていたような気がします。石田亜佑美さんとは何を話したのか忘れましたが一言二言何かを話した覚えがあります。なにぶん夢なので細部をあまり覚えていません。入り口で飯窪春菜さんに見送られた後はごく普通にFUJIYAMAに乗りました。他のバスツアー参加者の方々は目当てのメンバーを追いかけるスタイルの方が多い印象で「絶叫マシーンを全種類制覇しながら誰でもいいからメンバーと喋る」という「男」のような目標を持った人間や「特に何も考えていない」俺のような人間は少ないようでした。10期メンバーのバスツアーなので当たり前と言えば当たり前なのですが。普段は行列が出来るFUJIYAMAにも人はあまり来ず非常に快適に乗り込む事が出来ました。ハイタッチで係員に見送られてすぐに下を歩くバスツアーの民達が見えたのでそちらに向かって「いえーーい!」などと言いました。よく分からないのですがテンションが上がってきていたのです。ジリジリと最高点へ向かうFUJIYAMAからはただ光るアトラクションや駐車場が見えるだけで、景色は明るい内の方が綺麗なようでした。しかし、そんな事は関係ありません。俺は暗闇に向かって「いえーーい!ハルちゃーーん!俺だーー!」と叫びました。全員10期バスツアーに来た人なのでFUJIYAMA全体がなんとなく「ニヤリ」としていました。後ろに乗っていた同室の酔っぱらいは最高点付近に近付くにつれて「いやー!怖いなー!これ!思ったより怖くなってきてるな!俺!怖くなっちゃって来てる感じだなー!」と笑いながら言い、横に座った「男」は「フゥー!」と言っていました。FUJIYAMAはとにかく長かったです。「オイ!この道さっきも通ったんじゃないの!?いえーーーい!」と思わず絶叫するほどグルングルン同じような仕掛けが長時間続きました。楽しかったです。

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高飛車

 FUJIYAMAから降りると入り口の飯窪さんの周りに数人おり、飯窪さんと会話しているようでした。俺は「FUJIYAMA最高でしたー!」みたいな事を言ってスッと通り過ぎました。「男」は「さあ!次行きましょう!次は高飛車に工藤ちゃん来るから!これ!」と言いながらズンズン進んでいきました。「男」の言葉を聞いてそういえばまだ工藤遥さんを遊園地で見ていない事を思い出したので俺は少し寄り道をして工藤遥さんが最初に行っていたトークショーを見ました。「トークショーを見るよりまずはFUJIYAMAに乗った方が効率いいですよ!」という「男」の提案でそうしたのですが、やはり工藤遥ヲタの多くはこちらの方を見に来ていたようでかなりの人だかりが出来ていました。遠くの方で工藤遥さんが話しているのが少しだけ見えました。少しだけ見えて満足したので高飛車に向かいました。高飛車の前には既に列が出来ていましたが、どうやら乗り物の列では無く「工藤遥さんが身長検査ゾーンに来たら優先的に行ける列」みたいなものが形成されているようでした。工藤遥さんがトークショーを終えてこちらに来るまでもうそんなに時間が無かったので我々はそこで待つ事にしました。高飛車自体には乗れたので、知り合いの「ゴリラに似た絶叫マシーン大好きおじさん(以下単に「ゴリラ」と表記する)」は俺が工藤遥を待っている間に3回くらい高飛車に乗車していました。

しばらく列で待っていると通路の向こうから人のカタマリが移動してくるのが見えました。トークショーを終えた工藤遥さんとそれを追う一団がこちらへ向かって来て、そして中途半端な所で止まりました。工藤遥さんはどこかで買ったアイスクリームを食べていました。どこからか「かわいーー!」という絶叫が聞こえました。工藤遥さんは「いや、アイス食べてるだけだよ!?」と言っておられて、そのセリフにより更に可愛くなってしまっていました。俺は口をグッと真一文字に結び「ぐぬぬ」みたいな顔で可愛さに耐えていました。可愛さというものは我々ガチ恋おじさんにとって「耐えるモノ」なのです。隣に居た「男」は「あいつアイスクリームなんか食ってないで早くアトラクションに来いよ!次のアトラクションに並ばなきゃなんねーんだよ!遊びじゃねぇんだよ!」みたいな事を言っていました。一応「男」も工藤遥ヲタなのですが、そろそろ何を言っているのか分からなくなってきていました。「上野動物園のパンダを見る人々とパンダ」みたいになっていた工藤遥さんはしばらくしてやっと高飛車の入り口に立ち、我々は見送られながら高飛車に入場しました。この時に何かを俺は工藤遥さんに向かって発声したような気がするのですが、あまりよく覚えていません。そんなに大した事は言ってないと思います。なんか「チャッス」みたいなそういうヤツだったと思います。当然工藤遥さんも会釈をしただけだったような覚えがあります。…明晰夢じゃなかったのかよ!夢の中なんだから!ほら!もっと!なんかさあ!と自分でも思わない事はないですが、しかし、夢は記憶の整理なのだと聞いたことがあります。普段こんな感じ過ぎるので夢の中ですらこんな感じだったんだと思います。高飛車は90度直角に登る部分が多少グっと来ただけでその他は絶叫が苦手な人でも乗れるようなソフトな作りで乗りやすかったです。90度登ってる時に隣に座っていた「工藤遥が居たので今まで敬遠していた絶叫マシーンにホイホイはじめて乗った男」が「嫌だ!降りたい!帰りたい!」と言っていたのでゲラゲラ笑いました。楽しかったです。


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マッドマウス

高飛車から「いやー!楽しかったー!」と大はしゃぎで降りてきた我々は高飛車の入り口にまだいる工藤さんを少し見ました。どうやらもう高飛車に乗りたい人が居なくなったようで(バスツアー参加者の絶叫マシーンが嫌いな方の割合がそこそこ高かった印象でした)、ただ工藤遥の周りにいるだけになった人々に向けて「いや!乗ろうよ!ねぇ!乗ろ!」と促しているようでした。可愛かったです。ちなみに工藤遥さんは絶叫マシーンが大好きなのです。俺は全然乗っても良かったのですが、どうせ「チャッス」とか言ってもう一度マシーンにグリングリンされるだけだし、「男」がええじゃないかに並びに行くようだったのでそちらに着いていく事にしました。ええじゃないかにも乗りたかったし石田亜佑美さんも見たかったからです。あと、工藤遥さんの可愛さに耐えきれなくなりそうだったからです。複雑なおじさん心を抱えて俺はええじゃないかを目指しましたが、ええじゃないかは構造上乗るまでに時間がかかるようで行列が出来ているという情報を途中で得ました。ええじゃないかは前に来た時乗ったし、行列に並ぶのが何より嫌いなので俺は適当な場所でボーっとする事にしました。「バルーンアート」という謎の催し物が行われていたステージ付近に喫煙所を見つけたのでそこでボーっとする事にしました。バルーンアートのステージにはこの後工藤遥さんが来るようで場所取りをしている工藤ヲタの姿も散見されましたが、俺はさして「良い席」みたいなものに興味が無いので喫煙所でボーっとしました。ボーっとしていると工藤遥さんがバルーンアートステージ裏の「マッドマウス」というANTHRAXの曲名っぽい乗り物に乗っているようだという激アツ情報が飛び込んで来ました。俺はマッドマウスに一目散に歩いていきました。マネージャーを隣に乗せて映像を撮られながらスタート地点に戻ってくる工藤遥さんが見れました。俺はそれをニヤニヤと見つめ、バルーンアートステージに行く工藤遥さんの後ろ姿見て、また喫煙所に帰り虚空を見つめ「バスツアー、最高だな…」と呟きました。

バルーンアートステージで何をやっていたのかよく分からないのですが、バルーンアートを工藤遥がやっている最中は当然のことならマッドマウスがガラ空きだったので、俺はバルーンアートをしている工藤遥の背後でアトラクションに乗ることにしました。知り合いのおじさんとぎゅうぎゅう詰めで小さなコースターに乗り「痛い痛い痛い!曲がる時ガンッ!ってなって腰が痛い!」と絶叫しました。実際本当に痛かったです。FUJIYAMAより痛かったです。富士急ハイランド最痛マシーン、マッドマウス。かなり腰に負担がかかりました。マッドマウス終わりで喫煙所にマッタリしに行こうとしていると佐藤優樹さんがフラフラとやって来てマッドマウスに興味を示していました。乗ろうとして出口から入ろうとしていたので「あ、そこ出口っすよ」と普通に言ったら「・・・クッ」となってイー!みたいな顔を向けて来ました。可愛かったです。俺達が乗った後、工藤遥さんと佐藤優樹さんが同じヤツに乗ったらしいのですが、佐藤優樹さんの腰が心配になりました。楽しかったです。


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ド・ドドンパ

喫煙所でくつろいでいるとええじゃないかに乗ろうとしていた「男」が戻ってきました。どうやらやはり並びすぎていて制限時間内に乗れなそう、という事で次のアトラクションに向かうようでした。工藤遥さんはこの時空中ブランコみたいなヤツからフリーフォールみたいなヤツ、というタイムスケジュールだったのですが既に長蛇の列が出来ており、無理だと判断した我々は4大アトラクションの一つであるド・ドドンパに向かう事にしました。喫煙所が空中ブランコに近かったので工藤ヲタがたくさん居たのですが、その中に列から少し離れたベンチで暇そうに携帯をイジる、バスの中でスナックに食いついていたタトゥーの女性を見つけました。あまりに暇そうにしていたので「あ、俺達ドドンパみたいなのに乗り行くんですけど、行きます?」と言いました。即答で「行く!」と答えたので一緒にドドンパに乗りに行く事にしました。ド・ドドンパには飯窪さんがスタート地点にいる事になっているようでした。少し並んで乗り込むと確かに飯窪春菜さんがスタート地点におりました。この頃になると10期メンバーがそこら辺にいる事に多少慣れ始めて来ており「えー飯窪さんこれ乗った事あるんですか?へぇー、どうなんすかコレ?」みたいな感じで近所のコンビニの店員と話す感じになっていました。飯窪さんは「これは私でも大丈夫でしたよー」みたいな事とかを言っていたと思います。ド・ドドンパはビュンッってなってグワングワンとちょっとして帰宅、みたいな感じで確かに大丈夫でした。内臓フワッ感が一番無いので内臓フワ嫌いの俺は4大アトラクションの中では一番乗りやすいと思いました。ド・ドドンパを出たらも既に終了時間の15分前、とかになっていて俺は一足先にバスに戻る事にしました。「男」ともう一人のおじさんは「いや!もう一個行けます!もう一個行けますって!メンバーは来ないけどもうワン絶叫行けますって!」と言いながら本当にもうワン絶叫しに行きました。楽しかったです。

と、ここまで書いてきて自分では初めて気が付いたのですが、これではまるで俺が工藤遥のイベントから逃げるように移動しているみたいにしか見えないじゃないですか。当時から「あんまり工藤遥に出会わなかったなー」くらいには思っていたのですが、当然です、工藤遥の出現するスポットに出向いていないのですから。何故このような行動になったのか考え直してみると、俺はあくまで「夜の遊園地に来たら偶然工藤遥が居た」というような状況を求めていたのではないか、という身の毛もよだつ結論に辿り着いてしまいました。工藤遥を追ったり、工藤遥の出現ポイントで待ち構えていたりすれば当然見られるけれども、でもそれを俺は求めていなかったのはないか。あくまで「俺が普通に富士急ハイランドを楽しんでいる所」に「たまたま工藤遥も遊んでいる」状況を求めていたのではないか。だから「敢えて」工藤遥の出現ポイントを外して回っていたのではないか。ハイパー気持ち悪いのであまり認めたくないのですが、今自分で物凄く納得してしまったのでおそらく合っているのだと思います。マッドマウスでの遭遇が一番テンションが上がった事を考え合わせても、おそらく間違いありません。「この期に及んでまだ斜に構えるのか」とお思いの方もいらっしゃると思いますが、もはやここまで来るとこれは「斜」では無くこれが俺にとっての「正面」なのでしょう。俺は工藤遥と夜の遊園地で遊びたかった、ただそれだけだったんです。


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 三途の川を渡るバス

俺が初めてジェットコースターに乗った小学校低学年の頃、あの時の親父は今の俺と同じくらいの歳だったはずです。親父、俺はアイドルのバスツアーで遊園地に行ったよ。あの頃以来のジェットコースターにも乗った。あの時のあなたとの共通点は酔っ払ってたって事くらいかな。情けなく思いますか?

でもね、親父、俺は俺なりに真摯に人生に向き合っているつもりで、これは俺の人生に必要なバスツアーだと思ったんだ。実はあの時のあなたとの共通点がもう一つあって、それは「そこに大好きな人と一緒に行った」って事なんだ。心配かけてるのは分かってるし、申し訳なくも思うけど、俺はこういう風にしか生きてこれなかった。後悔はしていないし、人様に迷惑だって出来る限りかけていないつもりだ。婆ちゃんの法事で今年の年末は久々に家に帰るからさ、その時は俺がジェットコースターにはじめて乗った時の話でもしながら深酒をしよう。あの親父のカッコ悪い絶叫の話をして、ゲラゲラ笑いながら焼酎でも飲もうよ。

 

 遊園地の外に出ると、三途の川を渡るバスがキラキラと光っていました。俺はそのバスに乗り込んで、三途の川を渡り地獄へと向かう事になるのです。<つづけ>

  
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