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全国同時握手会2016秋 後編~ずぶ濡れアンダードッグ編~

城のような魚民で晩酌を

 宿をとっていた水戸に着いた頃には既に車に乗り続けて24時間以上が経過しておりました。ドライバー含め、俺以外の同乗者の方々も疲れておりました。ただ俺はアルコールのチカラで少しだけ他の方々よりも元気がありました。チェックインを済ませ、部屋に入ると、狭い部屋にセミダブルのベッド、おじさん二人部屋です。そりゃそうです。そう予約したのですから。妙に安いからおかしいと思ったんですけど、特に何も見ずに予約してしまいました。公衆浴場に入れない心の闇を抱えた同室のおじさんは、ここで久々に風呂に入られていたのですが、その足が臭い、あまりにも臭かったです。普通「足が臭い」っていうと、なんていうかこう「ちょっと酸っぱい匂い」みたいなものを想像すると思いますが、そんなもんじゃなかった。なんのニオイなのかしばらく全く分からなかった。「えっ!?毒ガスどっかから漏れてる!?」と思いました、俺は本気で。いや、俺自身もね、おじさんですしね、多少の足の臭さ、特に旅に出てる時の体臭なんてのはね、あって当たり前だし結構我慢出来る方なんですよ。それでも無理だった。あまりの臭気に嘔吐しそうになったのでタバコに火をつけました。ちょうど他のホテルに宿泊していた知り合いから飲みに誘われたので、これ幸いとホテルを抜け出し飲みに行きました。少し飲み足りなかったのもあります。閑散とした夜の水戸駅前を少し歩いて、南口に続く橋の上で夜空を見上げ物思いに耽りながらタバコを吸いました。何か考えているような顔をしていましたが、何も考えていませんでした。俺はもう、疲れ果てていたのです。合流した知り合いと駅周辺を少し歩いたのですが、既に日付が変わるような時間であまり良い飲み屋もなかったため、ホテルに近い魚民に入りました。わざわざ旅先で魚民に入るのもどうかな、と思ったのですが、この魚民は逆に都内ではお目にかかれない変な魚民だったので入りました。

 城じゃん!この魚民、城じゃん!!!と言いながら中に入りました。中は普通の魚民でした。何を話したのかは例によってあまり覚えていませんが、ビールとホッピーを飲んだ覚えがあります。疲れでガンガンに効いて少ない量でそこそこ酔えました。オトクでした。

ホテルに戻ると、同室のおじさんがシャワーを浴びた事により臭気が消えており一安心しました。ドアを開けるとドアの目の前の床でおじさんが寝ていたので、少しびっくりしながらも、起こさないように静かに入ったつもりだったのですが、結局起こしてしまいました。結局起こしてしまったもんは仕方ねぇ、という事で俺はダイソーのワインを再び飲み始めました。

結局就寝したのは午前4時半くらいだったと思います。その間、俺は「工藤遥とはなんぞや」みたいな話を一時間以上ずっとし続けたんだと思います。同室の方は真面目な方なのでものすごく真剣に俺の話を聞いてくれたのですが、おそらく俺は完全に適当に喋っていたと思うので申し訳ない気持ちです。確か「工藤遥っていうのはつまり、俺に生きる意味をくれた人なんですよね」みたいな事を口走ったような気がします。完全にそう思わないワケではないのですが、99%その場の思いつきです。この場を借りてお詫びします。

 地獄の二日酔いが襲う水戸

別に自慢ではないのですが、俺は二日酔いをあまりしない方で、朝まで飲んでいても3時間ほど寝られればほとんど酒が残る事はないのですが、この日は久々に二日酔いになりました。ダイソーのワイン、恐るべし。酒に強いとか弱いとか関係ない。アルコールとは別の薬物による体調不良を誘発して来ます。完全に劇薬。ともかく、完全に二日酔いだったので、ダラダラとイベント開始時間くらいに水戸の握手会場に辿り着き、トーク会をやっている最中にメシを食いました。日替わり定食を頼んだらご飯おかわり自由だったので大盛りでご飯をおかわりしました。二日酔いに慣れていないのでどうすればいいのかわからず「とにかくメシを食ってれば治るだろう」と思ったのですが、メシを食ったら気持ち悪くなりました。勉強になりました。あまりに二日酔いだったので、工藤遥さんとの握手で思わず「いやー、ちょっと二日酔いなんですよー」と言ってしまいました。特に何も考えずに言ってしまいました。まだ夢の中にいる気分だったし、二日酔いだったからです。工藤さんは「でしょうね!」とお答えになられました。「すいません、今日も1日頑張ります」と俺はそれに答え「頑張れー!」と言われました。「頑張れー」って言い方可愛かったし、一応日本語の会話として成立しているので俺の中ではそこそこ良い握手なのですが、この様子を見ていた知り合いには「いや!だから雑に扱われすぎでしょ!あんなに雑な頑張れはじめて見ましたよ!」と言われました。どうやら、俺は雑に扱われ過ぎていて、何が雑で何が雑ではないのか分からなくなっているようです。自分ではすごく普通だと思っているのですが。でも、雑じゃなく扱われたらドキドキして心臓が飛び出すかもしれないし、二日酔いだからドキドキしたら普通に嘔吐しちゃうかもしれないし、雑に扱われて良かったな、と思いました(思っていません)

知り合いの「Gさん」という方が「地元だから」という理由でたくさんCDを買ってたくさん握手をしていたので応援しました。あ、ちなみにこのブログでは工藤遥以外の個人名は極力出さないようにしているのですが、俺が尊敬している「漢」の方の個人名は出していく、という方針を取っています。(取っていますが、許可なく個人名を出して怒られたのでイニシャルにします)Gさんは性別は女性ですが漢に性別など関係ないのです。Gさんは「握手は何を話していいかわからないから苦手」と自身で言っているにも関わらず「地元に工藤遥が来てくれたというテンション」でたくさん買ってしまう、という真の漢買いをしていたのでこれはもう応援せざるを得なかった。同じ握手弱者として。漢には絶対に退けない時がある。「握手の応援」って一体なんなのか、俺にもよく分からないのですが、握手しているのを見守りながら「Gー!イケルぞーー!勝てるぞーー!」「前のヤツめちゃめちゃ剥がされてるよー!粘ってるよ前のヤツー!前のヤツ身体が斜めになるくらい肩をグイっとやられてるよー!」などと言っていたような気がします。俺は自分が矢面に立つと何も言えないのですが、客席からのガヤならなんでも言える、という事が判明しました。漢から程遠い人間です。とはいえ、空気が悪くなるような事は言った覚えがなく、なんとなく工藤さんも笑って(苦笑かもしれませんが)いたような気がするので、良かったな、と思いました。今まで何度か「ループしている人を応援する」というのをやった事があるのですが、声援にステージ上で答えてくれたのはGさんがはじめてです。流石俺の認めた漢です。「イケルぞG!」みたいな煽りに対して「もう自分が何やってるのか分からない!」と答えており、俺は爆笑しました。周りも爆笑しました。近くにいた知らない人も笑っていました。真の漢はみんなを笑顔にするのです。ループから帰ってきた勇者Gに何を話したか聞いてみたら「何も覚えていない」と言っていました。おそらく俺がループしたら俺もこうなるだろうな、と思いました。

冷たい雨が降りしきる柏の葉

勇者に別れを告げて、俺達はまた次の目的地を目指しました。工藤遥さん単独での握手会では最後になる千葉県の柏の葉キャンパスという場所です。1時間ほどの移動で到着してしまいました。外は雨が振り始めていたのですが、野外会場でした。疲れ果てたオタクに降り注ぐ冷たい雨。まあ、別に俺達の事はどうでもいいのですが、工藤遥さんが心配でした。俺なんて、もとよりいつ死んでも良いハルちゃん冒険団の鉄砲玉です。雨で風邪を引くくらいどうってことないのですが、親分の工藤遥も基本的には同じ行程を辿っているのです。実際、工藤さんは1週間後に体調不良で休んでおられました。この日のダメージが大いに関係あると思われます。ウチの団長に風邪引かせてんじゃねぇぞ!雨には俺がふんどし一丁で打たれてやるから団長にはなんかモコモコした服着せてくれや!頼むでしかし!と思いました。握手の内容はあんまり覚えていませんが、「お疲れ様でしたー!」みたいなヤツだったと思います。最後の握手で「二日酔い治ってきたんで酒飲み行きますー!お疲れ様でした!」と言ったら「池袋は!?」と言われたので「俺こっから家近いんで飲み行きます!」と言いました。爽やかな笑顔で言いました。工藤さんはもはや苦笑いすることすらせず、スッと次の人を見ました。いつも何も考えていないから、こうなってしまうのです。こんな事しか言わないから雑に扱われるんだと思います。自業自得としか言いようがありません。

その後は雨に打たれながらうっかり大量にCDを買ってしまった知り合いを応援しました。知り合いはCDを50枚くらい買っていたのですが「こんなに買ったら明日からご飯食べられない・・・」と言っていたし「こんなに何話せばいいんだろう・・・」と言っていたし、面白かったので応援しました。後から聞いたらすっげー良い話をまとめ出しでしていて申し訳なくなったのですが、俺はそんな事露知らず相変わらず「イケルぞー!足止めるなー!休むと逆にツラクなるぞー!」「脇腹痛いの!?なんで!?」「明日から何も食べられないけどやったぞー!勝てるぞー!」などと言いました。重ね重ね申し訳ないです。知り合いとまとめ出しで話している時の工藤遥さんの表情は、俺の知っているそれとは全然違って、凄く優しい顔で笑っていました。俺もいつかはあんな表情が見たいな、見れないのかな、見れないんだろうな、などとショッピングモールの中庭で雨に打たれながらボンヤリ思いつつウィスキーを飲んでいました。

それから

 池袋で最後の握手会を行う工藤遥さんを見送って、俺は宣言通り飲みに行きました。柏の葉キャンパス駅周辺で飲み屋を探したのですが、適当な所が見つからず、結局魚民に入りました。2日連続魚民。全国同時魚民飲み会かよ、と思いましたが、田舎の魚民は人がいなくて非常に良い。なんせ寝っ転がって酒が飲めるほどスカスカ。マジでスカスカ。なんだかんだで6時間くらい酒を飲んでいたのですが、全然何を話したのか覚えていません。なんだか凄く楽しかったような気がします。俺の本現場はやっぱり酒場なのかもしれません。

それからのそれから

 柏の葉キャンパスとかいう所で終電間近まで飲んでしまい、地元に着いたら家に帰るバスがなくなっていました。初冬の冷たい雨は雨脚を強めていましたが、俺は傘もささずに歩いて帰る事にしました。そうしたかったのです。前日から続く白昼夢はまだ終わりません。酔っ払ってフラフラする頭で工藤遥さんの事を考えるのですが、もう工藤遥さんの顔すらマトモに思い出せないのです。全てが夢の中の出来事のようでした。降りしきる雨がコーチジャケットを濡らし、深くかぶったパーカーのフードに染み込み、俺の体温を着実に奪っていく、その事だけが現実として押し寄せて来ました。ずぶ濡れのリュックからウィスキーの小瓶を取り出し、それを飲みながら、家まで40分歩きました。

 

「オタクは推しメンに似る」というのはアイドル現場に昔からある冗談めかした古い格言ですが、しかしこれはあながち間違ってもいないような気がするのです。工藤遥さんはとにかく真面目な人です。真面目で一生懸命な人です。工藤遥さんのオタクも、真面目で一生懸命に生きている人が多いような気がします。会う度に思うのです「俺も少しは真面目に生きなければなあ」と。そう思わせるほど、みんな真面目に一生懸命生きている。俺が手練れの握手ルーパーにまで「そんなヤツ見たことない」と言われるほど、真面目なオタクの方に「でもそれ逆に凄いよ、あの工藤さんにその扱いされるって」と言われるほど、工藤遥さんに適当な対応を受けるのは、この辺りが原因なような気がするのです。握手の内容とかお金の使い方とか、そういった小手先の理由ではなく「人生を真面目に生きていない」という部分で雑な扱いをされているのではないか、という仮説を立てているのです、俺は今。いや、もちろん、俺の握手の内容はヒドイし、金も使わないし、酔っ払っています。雑に扱われて当然だし、傍から見たら雑に扱われたがっているようにしか見えないでしょう。それは確かにそうなのですが、しかし、もっと大きな理由があるような気がしているのです。俺の贔屓目を抜きにして考えても、工藤遥さんは真面目にお仕事に取り組んでいます。むしろ「初めて来て」「うまく喋れない」ような方にこそ、工藤遥さんは優しく接しています。俺が雑に扱われるのは上手く喋れないからでも、金を使わないからでもないのではないでしょうか。

 

40分、ずぶ濡れになって歩いて、俺はやっとの事で汚い自室に戻りました。気密性が著しく低いせいで外気温とほぼ同じ気温の自室に。ずぶ濡れの上着とTシャツを脱ぎ、寝間着に着替えようとしたのですが、気がつくと俺はパンツ一丁で布団の上に大の字になっていました。身体がポカポカしていたのです。知恵熱も出ていたのです。そのまま俺は寝てしまいました。ずぶ濡れパンツ一丁のまま。ああ、明日からは真面目に生きよう。工藤遥に好かれるために。そう思っていました。

 

湿った布団の上で目覚めたのは翌日の昼過ぎでした。真面目に生きていこうと決意した翌日から。フラフラと起き出して冷蔵庫を開けましたが何も入っていませんでした。近所の小汚い弁当屋に寝間着に上着を羽織っただけの格好で行き、350円の日替わり弁当を注文しました。

「兄ちゃん、何があったか知らねぇけど、元気出しなよ」

ブヨブヨに太った不潔そうな店主はそう言って、唐揚げをひとつをおまけにくれました。白飯はこれでもかというほど盛られており、弁当のフタが閉まっていませんでした。ニタニタと笑う店主に愛想笑いを浮かべて、俺は虚ろな目で弁当を見た。

全国同時握手会2016秋 前編~突撃!決死の白昼夢編~

年に2回、五穀豊穣を願って主に独身の男性がパーカーを着た美少女を追って全国を練り歩く神事、モーニング娘。全国同時握手会ワンシックスが今年の秋もしめやかに執り行われました。もちろん、父方も母方も代々農家、五穀豊穣祈願しまくり工藤ヲタである俺も参加してきました。半年ぶりの全国同時握手会、握手弱者の俺はあの頃より少しは成長出来たのでしょうか、ご期待下さい(出来ませんでした)

ハルちゃん冒険団(決死隊)結成

工藤遥さんがスヤスヤ寝ていたであろう全国同時握手会前日の深夜、ハルちゃん冒険団(工藤遥さん命名、全国同時握手会に来るオタクの総称)の団員となった俺は、神奈川県某所、謎の駅前のスーパーで半額になった刺身を買って一杯やっていました。車を待っていたのです。前日に降った雪はおそらくは大丈夫だろう、という感じにはなっていましたが、路面の凍結なんかはあるかもしれない。ノーマルタイヤだ。最悪の場合死ぬかもしれない。しかし!それでこそ冒険団。冒険に多少の犠牲は付き物です。「ハルちゃんの為なら犠牲になったって構わない。というよりも犠牲にさせてくれ。本望だ」俺はコートのエリを立て、半額刺身をビールでグイっと押し込んで決死の覚悟を固めました。「俺がハルちゃん冒険団二番隊隊長、丑忍の中島だ」そういった気持ちで、カップルの乗った車に乗り込み、彼氏さんの運転で新潟までの道のりをのほほんとほろ酔い気分で駆け抜けました。

道中で食べたニチレイ自販機のハンバーガーが熱すぎた事と、宿泊する事になっていたホテルがセミダブルに二人で、今夜おっさん二人でセミダブルベッドに寝なければならない事が判明した事以外には、特に何の問題も無く、車は朝方にはひとまずの目的地である新潟市内の健康ランドに到着しておりました。夏に東京山口15時間車移動をこなした俺にはもはや神奈川新潟の5時間移動は特に苦ではなくなっておりました。車内では一睡もせず、元気に「工藤遥がもし仮に男だったらどうか」という議題に対して「まあ、ないならない方がいいけど、もし付いててもそれはそれでファッキン最高だよね」みたいな返しをし続けておりました。元気の極み。

 愛想の悪い新潟の健康ランドの受付に金を渡して風呂に入りました。確か千円を切る料金だったと思うのですが、しっかりと露天風呂まで付いた大浴場があり、露天風呂に入浴してまだ暗い初冬の朝5時の空を見上げながら「・・・ッッカァー!最高!!」とつぶやきました。セミダブルのベッドで一緒に寝なければならない方は「大浴場には入れない」という理由で風呂に入っておりませんでした。心の闇を見ました。そしてこれがその夜、セミダブルベッドの部屋で大問題を起こす事になるとは、この時の俺はまだ気が付いていなかったのです。休憩室でウトウトとして、その後朝風呂をいただいて、気分はもうビールだったのですが、最近「もしかして酒を飲んでいるから握手がダメなのでは?」という理論を検証するために握手会の前にはお酒を飲まないようにしているので我慢して、記念すべき全国同時握手会第一会場に向かいました。

光速握手でスピードの向こう側へ、再び

第一会場は、変な会場でした。イベントが行われたショッピングモールには、おあつらえ向きのイベントスペースがあったのですが、当日そこでは何か別のイベントが開催されており、工藤遥さんは映画館の中でトークと握手会を行っておられました。朝風呂を浴びていてギリギリの到着だったのでイベント優先券がもらえず、俺達はトークが見れなくなってしまいました。メシを食ったり、オープンスペースのイベント会場でイベントしてるアイドルやブリカツくんを見て時間を潰し、握手が始まったようだったので映画館に入りました。握手券でシネコンの中に入れてしまったのですが、アレ、映画観ようと思えば観れたと思います。いや、わざわざ握手券購入して映画見るやつはいないでしょうから、別にいいんですけど、この世界の片隅に、観たかったです。

工藤遥さんは100人定員くらいのちいさなスクリーンの前に机を置いて立っており、そこで握手会を行っておりました。あまり見たことの無い風景に「なんなんだこれは…」という気分になりました。今後あるのかどうかわかりませんが、映画館での握手会の注意点をお伝えしますと「周りが静かだし声が響くので大きな声を出すと並んでいる人全員に聞こえる」という事ですね。普段のハロプロの握手会って大体周りがザワザワしててあんまり他の人の声って聞こえないのですが、そんな大きな声じゃなくても新潟の握手会では会話の内容が聞こえました。俺は誰に聞かれても大丈夫な握手しかしていないので全然問題ないのですが。だってこの日の最初の握手「おはようございます!」しか言ってないですからね。・・・・・一緒!!!前の全国同時握手会と一緒!!最初もうなんだかわからなくなってすぐ逃げるヤツ!なんなん俺!

一通り「なんなん俺!」を噛み締めた後、もう2枚くらい握手したような気がします。前のカップルが大きな声で工藤さん込みでイチャイチャした握手をしておられたので、ドタマに来てしまい「ちょっと待って下さいよ!あいつらのクソみてえな話一杯あるんすよ!!」と言ってしまいましたが、直後にふと我に返り「あいつらのクソみてえな話、ここでしたら握手会出禁になるかもな、セクシャルな意味で・・・」と思い「聞きたい聞きたい!」と申しておられる工藤さんに真顔で会釈して会場を出ました。工藤さんサイドから見たら完全に頭のおかしいヤツだったと思います。いや、世の中のどのサイドから見ても完全に頭のおかしいヤツなんですけど。

群馬県の焼け野原でこの世の無情を呪う

その後は粛々と群馬に移動しました。1時間半くらいの車移動だともう「移動」という感じすらなく、ちょっと散歩する感じで到着しました。群馬の握手会が行われたイオンモールは本当に周りに何もなくて、畑や田んぼすらなく、ただただ荒野が広がっており「ウソだろ、いくらなんでもなにも無さ過ぎるだろ…焼け野原かよ」と思いました。まるで俺の心象風景のようでした。今度は普通の会場が、用意されているように見えたのですが、実はそうでもなく、ショッピングモール3階の通路のような所に人が群がっていました。普通、こういうのって1階でやって2階3階からも見えるようにすると思うんですけど、まさかの3階。おかげで人が通路にぎっしりになっていました。群馬で何を話したのかは残念ながら失念してしまいました。失念するほど中身の無い握手だったんだと思います。確か、俺の前で握手してた知り合いの握手に巻き込まれたような気はするんですけど、俺の握手会でのアドリブ対応力、ほぼゼロなのでフワーっとして終わったんだと思います。自分の握手は覚えていないのですが、一つだけ群馬の握手会の出来事を覚えています。工藤さんにZDA中同行していたスタッフさんがCD販売所の前で工藤さんの写真を撮っていたのですが、その時のスタッフさんの顔を覚えているのです。強烈に焼き付いて離れないのです。あれは絶対エロいこと考えてる顔だった。俺には分かる。工藤遥でエロいことを2億回は考えている俺には分かる。アレはアノ顔です。畜生!なんて良い仕事に就いているんだ!徳を積んで来世は絶対に工藤遥のマネージャーになるからな!クソが!前前前世から君でエロいこと考えてやるからな!という気持ちで、群馬イオンモールのサーティワンアイスクリームでクレープをやけ食いしました。クレープを食い慣れていないので鼻にクリームが付いてしまい、うっかり最高に可愛いおじさんになってしまいました。

俺の声よ、宇宙に刻まれろ

その後は栃木県は宇都宮に移動しました。着いた頃にはもうとっぷりと日が暮れておりました。デパートの屋上の謎のスペースに工藤遥さんがおり、そこでトーク会を行うようでした。そうそう、こういうのが良いんだよ、と思いました。満天の星空と秋祭りのカラオケ大会のようなステージ、無駄に広いスペースと、そこに無造作に集められて寒空のもとで震える俺達。最高じゃないですか。まあ、この日はあいにくの曇天だったので星はほとんど見えなかったのですが。

トークイベント中に野外が余りに気持ち良く、辺りを散策していたら工藤さんがイベントをやっている所からさらに上、階段を上った先に、まだスペースがあるのを見つけました。当然、他のファンの方々は工藤さんを見守っておられたのでそこには気が付いていないようでした。誰もいないガランとした広大な屋上のスペースがそこには広がっており、宇都宮の夜景が一望出来ました。工藤遥さんのトークは遠くで聞こえました。前日夜から移動していた疲れも相まってだんだん夢を見ているような気分になってきました。全国同時握手会に行くといつも後半白昼夢を見ている気分になります。

 愚直に自分の作ったルールに従い、酒は飲んでいなかったのですが、頭がボーっとしてきて酔っているような気分になりました。握手で何を話したのかはあんまり覚えていないのですが、確か「自分の周りにはカップルが出来まくるのに俺にだけは何も起こりません」みたいな事を言ったような気がします。「頑張れー」と言われました。その様子を見ていたお強い工藤ヲタに「あんなにおざなりに工藤ちゃんに扱われてるヤツ初めて見ました」と言われましたが、俺は頭がボーっとしていたので「えへへ」と思っただけでした。今思い返すと少しだけ死にたみがあります。少しだけですけど。

そのお強いオタクが握手をループしているのを見守りながら、俺は酒を飲みました。何故ならもう握手券を持っていなかったからです。握手会場のビルに入っていたダイソーで買ったワインを飲みながら俺はループしている知り合いに「おーー!!イケイケーー!まだイケルぞーー!まくれーーー!!」などと応援しました。だんだん気持ちよくなってきて最終的には「遥ちゃん大好きーーー!」と叫んでいました。もちろん、それに対する工藤さんからの返しはありません。聞こえていなかったんだと思います。それでも、俺はなんとなくスーっと気持ちが穏やかになっていくのを感じていました。宇都宮のデパートの屋上から空へ向けて放った俺の咆哮は、曇天の雲を突き抜けて宇宙に届いた、そんな気がしました。工藤遥さんに伝わらなくてもいいんだ、俺が生きた証は、デパートの屋上から宇宙に届き、そしてどこかに記録されている、そんな気がしました。それでいいんだと思いました。<つづけ>

Morning Musume。'16 Live Concert in Taipei~ガチ恋ゾンビ国境を越える~

工藤遥さんに恋をしてから3年、「工藤遥とは結婚どころか一緒に酒を飲みに行くことすら許されない人生なのだ」という事を噛み締めて生きているウチにいつの間にか心が死んでいました。心は死んでいるのですが、身体は動き、別段他にすることも無い為になんとなくアイドルの現場に通っています。酒漬けの脳をタプンタプン揺らしながら。この状態を俺は「ガチ恋ゾンビ」と呼んでいます。アイドルに恋をするという禁忌を犯した者の成れの果てです。禁忌を犯した者が落とされる地獄のうちの一つに、俺は落とされたのです。その身体からはハラワタが飛び出し異臭を放っており、脳は虫にヤラれてまともな思考力は無く「アー、アー」とうめき声を上げながらアイドル現場を這いずり回る、現場の鼻つまみ者、それが俺です。

 

「ゾンビは海を渡れない」という基本設定を無視して、ガチ恋ゾンビに成り果てた俺がモーニング娘。'16の台湾公演に行って参りました。まともなレポは脳に氏賀Yているので書けないのですが、それでもなんとかレポのようなものを残しておきたい、という気持ちがあるので書きたいと思います。温かい目で見て下さい。暇つぶしにどうぞ。

1日目

先に言っておきますが、俺が台湾を2泊5日で旅して工藤遥さんを見たのは空港でのお出迎えイベント時に1分、コンサート公演での2時間、それだけです。その他の117時間59分は酒を飲んだり、人の恋愛話を聞いたり、同行したカップルに気を使ったり、美味しいモノ食べたり、酒を飲んだり、酒を飲んだりしておりました。羽田空港を4時55分に出発するという頭のおかしい飛行機に乗るために出発前日の北千住で人の車に乗り込む時からビールを飲み始め、全ての日程を終えた後「俺達の台湾延長戦」と称して平日の昼間から北千住でランチのカレーを食いながら酒を飲むまで、俺は常にアルコールで脳をマヒさせていました。

 

脳がマヒしていたのでよく覚えていないのですが、「なんだか修学旅行みたいだな」と台湾にいる間中ずっと思っていたような覚えがあります。仲のいいグループで班行動して、全体のイベントもあって、それに合わせて時間区切られて。日本から来てたオタクも結構居て、その人達は大体「話した事はないけど見たことはある」って人達で隣の隣のクラスの同級生みたいな距離感で。班の中にカップルも出来るし、女の子とどっかに抜けちゃうヤツもいるし、部屋でただただバカ騒ぎしてる俺もいるし。高校の時の修学旅行と大体同じでした。高校の修学旅行、ホテルでモテない男子6人でずっと酒を飲みながら麻雀をしていた事を思い出しました。あまり思い出したくなかったのですが。引率の先生が居ないから夜通し騒いでても怒られないのと、32歳だから堂々と酒を飲んでタバコ吸っても良いのが少し違うくらいで。憧れの人とは口すら利けない事もあの頃と同じ。俺が好きだった子とはグループが違って、俺はいつもあの子とは話せすらしないのです。

 

おっと!俺の暗い青春時代と昨今のオタク現場の浮かれた雰囲気の話は今日はこの辺にしておきましょう!それはまた別の機会に書きたいと思います。ファッキン自由恋愛。

 

俺が台湾で工藤遥をはじめて見たのは、台北松山空港でした。ホテルにチェックインして荷物を置き、一旦落ち着いて「ああ、眠いな。もう疲れたよパトラッシュ・・・」という気分をなんとか奮い立たせてタクシーで向かった空港で。日本で到着空港で待ち構えてるとストーカーチックですが、海外だとなんとなく許されるような雰囲気になります。メンバーが空港に到着する時間とか予告されてるし、横断幕を持った地元のファンとかいるし、イベントチック。到着時間ギリギリくらいに行ったのですが、なかなかメンバーが出て来ず、暇すぎてビールを飲んだりメシを食ったりぼーっとしたり警備スタッフと仲良くなったりしました。

 

 これが気の良い台湾人の若者でしてね。警備の予行演習みたいなので「スタッフ同士が手を繋いで一列になって芸能人を守る訓練」をしていたのですが、それに勝手に参加して俺が手を繋いだらすっごい笑顔で握り返してくれて。こんなもん日本でやったら怪訝な顔されて撥ね付けられて終わりですよ。朗らかですよ、台湾の人、朗らか。俺もなんか「うふふ・・・よし、この人達を助けるために俺の労働力を無償で提供するぞ」みたいな気持ちになりました(酒も飲んでいたし)が、現場監督に怒られてメガネ君達はクっと口を真一文字に結んで俺の手を離してしまいました(当たり前ですが)

そうこうしているうちにモーニング娘。の方々がやって来て、なにやら挨拶のようなものをしておりました。遠くてよく見えなかったのですが、その後、俺達の居る方へ歩いて来ました。「うわっ!こっち来る!警備スタッフ全然アレだけど大丈夫なのか!おい!メガネ!お前それ!大丈夫なのか!?」とどちらかと言うとメガネ君の心配をしてしまいました。結局全然大丈夫ではなく、なんかグチャってなってました。軽いモッシュ気味だったので、モッシュ好きの血が騒いでしまい、いつもよりテンションが上がってしまいました。普段全然工藤さんを呼んだり出来ないのですが、隣に居た現地のファンの人が一生懸命片言の発音で工藤遥の名前を呼んでいるのに触発されて俺も名前を呼びました。もみくちゃにされながら。俺はここでもノールックノーレスだったなぁ、別に良いんだけど、と思っていたのですが俺の前でもみくちゃにされていた知り合いの方から「いや!工藤ちゃんは見てたよ!なんなら来てるんだ!?みたいな顔してたでしょ!」と言われました。優しい方なので俺を気遣ってくれたんだとは思いますが、信じてみようと思っています。ハルちゃん、俺はね、台湾に来てたよ。

 

俺の絶望的なレス確認力の無さを痛感しながらホテルに戻り、台湾のテレビ番組観覧に行くつもりだったのですが、前日から寝ていない疲れと酔いと雨と台湾のジメジメにやられ、結局こうなってしまいました

 この後は確か夜市に行ったんだと思います。知り合いが引っ掛けて来た台湾人の女の子が面白かった。見た目じゃなくて発言に多少のビビアン・スー感があって楽しかったです。ズレた間の悪さもそれも君のTiming感があった。「ビビアン・スーみたいな女の子と飲む」という俺の台湾での目標のひとつが達成出来ました。日本に来る予定もあるようなので、またどこかで会えたら良いな、と思います。今度は俺が日本の飲み屋で美味しいもの紹介してあげたい。

 2日目

結局3時過ぎまで飲んで就寝しました。同室になった知り合いのイビキがエグかったのであまり寝られず、朝起きてしまってビールを飲んだ覚えがあります。その後もビールを飲んでいた覚えしかありませんが。この日が確かコンサートの日だったんだと思います。もうそこすらちょっと曖昧だけれども。朝起きて、確かコンサートは夕方からだったと思うのですが、その間何をやっていたのかあまり思い出せません。おそらく酒を飲んでいたんだと思います。別に台湾だから、とかではなく俺は工藤遥を見る前は脳がビリビリして昔の人間だった頃の記憶がフラッシュバックし、悲しい気持ちになるのでアルコールで脳を麻痺させているのです、いつも。

ともかく、台湾で酒を飲んでフラフラしているウチに、コンサートの時間になったのです。マクドナルド海外サイズの超デカイコーラを持ち込んで、台湾公演記念Tシャツ(クソダサイ)を着て、会場に入りました。まず、会場に入って驚きました。日本にはあんまりないタイプの会場でしたね。スタンディングだけどホールみたいな綺麗さ。日本のコンサート会場って「カッチリ席のある綺麗なコンサートホール」か「タバコのニオイの染み付いたライブハウス」のどちらかな印象なのですが、あの会場は「キレイなコンサートホールの席だけ取り外した」っていう感じで凄く良かったです。音も良かったし。ステージも見やすかったし、なにより謎のスペースがあった。謎のスペース大好きおじさんとしては超高評価ポイントです。

そもそも俺がモーニング娘。にハマったのは、2000年代ラブマバブルでイケイケだったハロープロジェクトが、地方の謎の空き地でバンバン野外コンサートをしていた頃で、あの頃の体験が頭から離れないのです。謎の場所、謎の協賛、謎の開演前市長挨拶、ブロック指定で出来る謎のスペース、見たこともない謎のグループ(後にそれはメロン記念日という名前だったと判明する)、謎だらけのイベントに当時特にハロプロ好きなワケでもない地方の高校生だった俺はドハマリしてしまったのです。

あの頃の野外イベントの楽しさについては、また別の機会に詳しく書くとして、ともかく、俺は自由に動けるスペースが好きなのです。コンサートホールの一席は、どう考えても狭すぎる。隣に気難しい人とか来るとちょっとはしゃぐとすぐサイリウムで殴られる。しかし、その点台湾のあのホールは完全にフリーダムで、俺は少し、高校生の頃の気持ちを取り戻しました。

近くに現地のファンの方も居て、それも俺の高校生返りに一役買ってくれました。とにかくピュア、ピュアが凄い。たまたま近くに居たのが工藤ヲタの女の子(10代後半から20代前半くらい)だったのですが、工藤遥の一挙手一投足に常に目を輝かせており、たまにガっと来る事があると後ろにのけぞる。のけぞってしまっている。物理的なチカラを工藤遥のオーラから受けている(そんな馬鹿な!)のけぞりながらなにやら独り言を言う。俺はその様子が羨ましくて、愛おしくて、ちょっとキモくて、なんだかよく分からない感情を抱きました。

地方の高校生だった頃、年に2回か3回くらいしかコンサートに行けなかった頃は、俺もあんな感じだったかもしれない。いや、流石にあそこまででは当時からなかったけれども、でも、少なくとも今とは全然違う気持ちでモーニング娘。を見ていたな、と思い出しました。俺はいつの間にか汚れちまっていたのです。願わくばあの頃みたいに戻りたいなァ、と思いながら、俺は持ち込んだラージサイズのコーラにウィスキーを注いだものをストローでチューチュー吸い、「なんかテンション上がってきたーーー!」と言いながらみかんで近所の人とモッシュのようなモノをしたり、ビーアライブでうざい動きをしたり、プレゼント抽選会で「長いな・・・これ、長くない・・・?」と隣に居た知り合いと話したりしました。汚れちまっている。人間は、そう簡単にはあの頃のように戻れないのです。

とはいえ、台湾公演は全体的に非常にピースフルで良い公演だったと思います。ここ最近で見た中では俺は個人的に1番良い公演だと思いました。俺は酒飲んで走り回れたらなんでもいい、みたいな部分があるので正確な判断基準は持ち合わせておりませんが、他のオタクの方々にも評判が良いし、モーニング娘。のメンバーの方たちも心なしか楽しそうに見えました。現地の方が企画したアンコール企画にもメンバーの方は感動して泣いておりました。良席でその様子を見た俺の知り合いの心が汚れきった男は「工藤ちゃんはあの光景を見て、下唇を噛んで涙を堪えていた。俺は思いましたよ、何アーティストぶってんだコイツって」と言っておりました。最低のクズ野郎だな、コイツ最高!と思い、ゲラゲラ笑いました。

その後

 「モーニング娘。最高!!!!」という気分に思いの外なってしまったので、俺達は酒を飲みに繰り出しました。適当に歩いて英語すら通じない現地の飲み屋に入り、鳥の丸焼きを解体して食いながらビールを飲みました。先程の「何アーティストぶってんだコイツ」発言をしたクズ野郎と一緒だったのですが、彼は酒を飲みすぎて店を出る時「中島さん、ヤバイ。。。ウンコ漏らしたかもしれません」と言っていました。最低のクズ野郎な上にウンコ野郎かよ!!コイツ最高!!と思い、ゲラゲラ笑いました(結局水っぽい屁が出ただけで漏らしていませんでした、なんなんだそれは、むしろ漏らせよ)

ホテルに帰っても飲み続け、結局午前4時前くらいまで飲みました。翌日は、何かイベントがあるかもしれない、という事で深夜の飛行機をおさえていたのですが、結局何のイベントも無かったので1日フリーになり、朝からビール飲んでメシ食って観光して帰りました。工藤遥の居ない台湾で工藤遥の事を思いながら酒飲んでメシ食って台湾の街彷徨ってお土産買うのもなかなか趣深くて良かったですね。

飛行機に乗り遅れそうになって深夜の台湾桃園国際空港をダッシュしたりして、日本に帰国したのが午前4時。最初から最後までバカみたいな日程でした、とまとめて終わりたい所ですが、朝の羽田空港でビール飲んでたら楽しくなっちゃって「俺達の台湾はまだ終わっていない!」とか言いながら北千住に向かいました。平日の朝に呼んで北千住という名の台湾まで来てくれる飲み友達が一人だけいたので、そいつと飲みました。日高屋、幸楽(朝10時から開店している飲み屋)、インドラ(本格インドカレー屋なのにサワーが妙に安い)といつものコースを飲み歩き、気がつくと深夜36時になっておりました。流石に眠い、という飲み友達と別れ、俺もフラフラと北千住駅まで歩きました。台湾は俺達の滞在中ずっとジメジメしていましたが、その日の北千住は爽やかな秋晴れで日差しが心地よかった覚えがあります。ああ、良い天気だ。さあ、もう一杯飲んで家に帰ろう、と思いました。

 

俺の記憶は、そこで途絶えています。台湾の話はこれでお終いです。

総額で言うとそこそこお金もかかったし、所謂「美味しいイベント」だったのか、と言われたら、俺にはよく分かりませんが多分違ったんだと思います。けれど、俺は行って良かったなあ、と思っております。なんか、ほっこりしたから。

今後も変なイベントがあったら出来るだけ行きたいなあ、その代わり、変じゃないイベントは別にそんな必死に行かなくても良いかなあ、という思いが湧いてきております。

 

俺の工藤遥への思いも、何か変わってきているような気がします。具体的に何に変わってきているのか、自分でも良く分からないのですが、しかし、何かが変わってきている実感があります。燃えるような恋から、失恋の絶望、いや失恋すらできなかったのだという更なる絶望、そこから派生する一生好きな人の人生と自分の人生とは交わらないのだという絶望、絶望の先にある諦め、諦めが身体中を巡ってのゾンビ化を経て、俺はこれからどこへ行くのでしょうか。落とし穴にハマって身動きが取れなくなっても工藤遥はガチ恋ゾンビの脳天を撃ち抜いてはくれません。せめてそのまま埋めて欲しい。土に還りたい。土に還って芽を出して、来世は物言わぬ大木になりたい。大木になって何度目かの夏の日、美しいお婆ちゃんになった工藤遥が俺の足元の木陰で一休みするのだ。おばあちゃんになった君に、俺の足元でセミの抜け殻を集めて欲しい。

演劇女子部「続・11人いる!東の地平・西の永遠」観劇記

(この観劇記はフィクションです)

 

6月某日池袋。東武百貨店の屋上スカイデッキ広場で、よく知らないアイドルを見ながら焼酎を煽り、この世の終わりに備えていた俺は、なみなみならぬ「気」が池袋に集まってきているのを感じていた(訓練されたオタクは他のオタクの「気」が集まっているのを感じとる事が出来る)「一体何が始まろうとしているんだ…」飲みかけの宝甲類焼酎の赤い蓋をしっかりと締めてケツポケットに突っ込み「気」の集まっている方へ歩き出す。強烈に嫌な予感が全身を包んでいたが、歩みを止める事は出来なかった。迷うことなく、まるで何かに導かれるように、携帯でグーグルマップを見ながら歩くと、そこはサンシャイン劇場と呼ばれる魔窟だった。

 

「デカイ気の正体はこれか、めんどうな事になって来やがったぜ…」と邪眼をさすりながら呟きつつ、俺はたまたま持っていたチケットでたまたま入場する事となった。入場して驚いた。そこら中に積み重なる死体の山山山。ライフルで武装した自警団が次々と、舞台にヲタTを着て来てしまったオタクを撃ち殺している。この世の光景とは思えなかった。俺は思わず短パンのケツポケットから焼酎を取り出しかけたが、その刹那、焼酎を取り出そうとしていた右手が何者かに掴まれた。「まずい、撃ち殺されてしまう!」と思い咄嗟に回避姿勢を取った俺にそのひょろりとしたメガネの男は囁いた「あんた、酒を飲んでいるな?そのままだと撃ち殺されちまうぞ、早くこれを食え」渡された10粒ほどのフリスクを怪訝な表情で口に放り込む俺を見て男は言った「安心しろ、俺達はレジスタンスだ。アイドルの舞台で奇声を発したり公演中に携帯電話を鳴らす自由を勝ち取るために日々闘っている、君もレジスタンスに入らないか?」「悪いが俺は一匹狼なんだ。誰とも組まない」俺は小さな声で笑って答え自分の席へと向かった。背中で銃声とひょろりとしたメガネの男の断末魔の声を聞きながら。

 

というワケで演劇女子部「続・11人いる!東の地平・西の永遠」を観てきました(観てきてません)いやー、最高でしたね。ストーリーのネタバレをあんまりするとアレなんでしょうけど、とにかく言いたいから感想を言いますね!

簡単にあらすじだけ説明しますと、時は世紀末「宇宙大学」という壮大な名前を付けてドン滑ってしまったFラン大学のオールラウンドサークルが舞台です。「宇部フロンティア大学」みたいな感じですね。素人童貞の多田、金髪がトレードマークのサークルクラッシャーフロル(源氏名)、いつも泥酔しているコンパ長苫野(北海道出身)、とにかくおっぱいの大きい尾奈(とにかくおっぱいが大きい)、頭が固い事だけが取り柄の石頭(年齢本名不詳)等の個性豊かなメンバーが織りなすハートフル学園コメディ、と思わせておいて最終的には西の大学連合と東の大学連合が統一番長を決めるタメに大戦争を繰り広げる、その裏では実はCIAが暗躍していて・・・という感動のストーリーです。ラストのシーンで宇宙大学が本当に宇宙に飛び立つシーンは鳥肌モノです。あれどうやってセット浮かせてんのかなー、10メートルくらい浮いてたでしょ、舞台自体が。もう全然見えねぇの。舞台の裏っかわしか見えないし役者なんか全然見えない。でも、なんか無駄な壮大感だけあってアレはスゴかったですよね。あと、みんなが泣いた、あのシーンっていうのはアレでしょ?フロルが実は男でも女でもない謎の生物で「この世にあるサークルを1000個クラッシュすれば人間になれる」という言葉を信じてやって来たけど1000個目の宇宙大学のみんなが良い人過ぎてどうしてもクラッシュ出来なくて・・・っていうのを多田に告白するシーンでしょ!?アレ良いよね!まあ最終的には石頭の頭で次元の扉を切り開いてそこら辺は全部解決するし!ラストバトルで第2形態に変身したバセスカ王に繰り出す苫野の酔拳もカッコ良かったなあ、俺はああいう「ここぞという時にダメ人間が見せる男気」みたいなのが大好きなんですよ。インデペンデンスデイのラッセル・ケイスへのオマージュですね、アレは。「俺の子どもたちに愛していると伝えてくれ」→「帰って来たぜエイリアン!!」でバセスカ王と共に自爆して倒したか・・・?からの苫野吸収バセスカ王完全体の流れはなかなかの絶望感で最高でしたね。とにかく見どころ沢山でハッピーエンド、ポロリもあるよ!の痛快娯楽劇でした!皆さんも是非観てきてね!

 

 

って所まで下書きに書いていたのですが、気が付いたらもう舞台が終わっておりました!申し訳ない!もう舞台終わったわ!仕方ないからインデペンデンスデイの続編でも観に行こうぜ!みんなで!

 

ちなみに、これより更に怒られそうなブログを書いたこともあります。しかも信じがたいことに、こちらのブログは実際に舞台を観て書いたモノになります。ちょっと読んでみようという奇特な方がおられたら是非読んで下さい。奇特な方には超オススメです。

 

d.hatena.ne.jp

全国同時握手会 後編~恋をして恋に破れ眠れずに過ごす編~

限界を超えた三宮とあかねちんポーズ

俺と工藤遥以外の人から見たらちょっとおもしろい握手をしているうちに京都の握手会は知り合いが鍵をシメて終わりました。すぐ泣く事で有名な知り合いは泣いていました。俺は人が泣いているのを見るとゲラゲラ笑ってしまうのでゲラゲラ笑いました。「な、泣いてるwww化粧直してるwwwwウケルwwww」などと言っていたらひとでなしを見るような目で見られました。

京都から三宮までの移動はかなり過酷でしたね、立ちっぱなしでした。1時間立ちっぱなしで乗り換え三分でまた1時間立ちっぱなし、みたいな。ここまでで俺はラクーアの日の前日から起きっぱなし、既に50時間以上まともに寝ていない状態だったのでそれであの移動はなかなかのハードさ。俺が95歳だったら死んでます。32歳で良かった。

32歳でもかなりギリギリで正直三宮に着いてから握手するまでの記憶がほとんどありません。ノドがカラカラに渇いてタバコすら吸う気もせず、ただただボーッとしていたような気がします。同行していたスーパーカリスマオタクがファン対応しているのをぼーっと見ました。この人もかなり疲れていて、実際ファンが来てない時は俺と同じで携帯をぼーっと見てるくらいしかしてない状況なのに、関西住みの女子に声かけられると「ピャーーー!!」みたいなクソうるさい声を出して対応していて心底スゴイなと思いました。もう芸能人だよアレ、ギャラもらった方がいい。隣に座っていたキヨシさんからも同じような感想を言われて全力で同意したのを覚えています。あ、キヨシさんはもとみやさんクラスの漢なので名前を出させていただきました。

握手券を買っておいてくれた方に、俺が岐阜で撮って滋賀で見せたプリクラをお返しにあげたりしていたらどうやら握手の時間になったようでした。残念ながらイベントのトークなどは一切覚えておりません、っていうか多分見てないと思います。網膜では捉えたかもしれませんが、少なくとも脳には届いていない。疲れすぎて無の境地に近付いていました。全国同時握手会は宗教的な巡礼に近いのかもしれません。五体投地で聖地カイラス山を目指す巡礼者と似た感覚になっていた、というのは言い過ぎでしょうか。…言い過ぎだとは思いますが。

修行僧のようになっていたので、案の定なにも考えずに握手したのですが、握手する前に俺の安西先生が「あかねちんがあかねちんポーズ自分にはしてくれない」みたいな事をおっしゃってたので、じゃあ俺もやってみようかな、と思いました。確か工藤さん羽賀さんで終わりだったと思うのですが、工藤さんには「ここ5年で1番疲れました」と言いました。工藤さんにはお疲れ様でした、的な事を言われたような、言われなかったような気がします。それで良い。工藤さんからの返しなんてその程度で十分なのです。その流れで羽賀さんには「お疲れ様でした~」と言いながら満面の笑みであかねちんポーズをした所、満面の笑みであかねちんポーズを返して頂きました。工藤さん以外には満面の笑みできるんだな俺、と疲れた頭でそう思いました。あかねちんではいきなり師匠超えを果たしたので大満足。無の境地から帰って来てしまいました、あかねちんの力で。あかねちんさん、ありがとうございます!という気持ちで三宮の夜の街に繰り出しました。俺の本現場はここからだ!

それから

三宮でのイベントが終わって車から荷物を下ろした時、俺はついに60時間まともに寝ていない状態になっていました。漢もとみやさんはそのまま車で出発したので見送りました。池袋に4時半に着け、という人の要望に応えるためです。真の漢過ぎる。俺は「もとみやさん、死なないで下さい。また会いましょう」と特攻隊を見送る日本兵の表情で伝えました。見送った後は「酒さえ飲めれば3時間くらいは元気になると思う…」とフラフラしながらボソボソとつぶやいておりました。居酒屋に入り、1杯目を注文して、あの金色に輝く299円の飲み物を飲んだ瞬間「ッッッッカーーー!!!俺の本現場はここだぜーーー!!」と思いました。もう修行僧の面影まるでなし。2杯目3杯目からホッピーに移行する辺りではもうかなり効いてきていました。疲れは良い酒の肴です。いつもより明らかに酒の回りが早かった。何を喋ったかはあんまり覚えていませんが、それはまあいつもの事です。それよりも、俺は人生で初めて酒飲んでる途中で疲れで普通に寝てしまいました。泥酔して意識を失って結果的に酒場や路上で寝てしまった事はありますが、普通に寝たのは人生初です。工藤さんに言った「ここ5年で1番疲れてる」どころか人生で1番疲れていたかもしれません。それでも数十分(おそらく)で起きて起き抜けから酒を飲み、そのまま2軒目へ行き、そこでは1回も寝ないで酒を飲みました。ゲラゲラ笑いながら。始発で解散してまんが喫茶に行ってカップ焼きそばを食いました。オープン席で俺が童貞から素人童貞にジョブチェンジした時の話をしました。全然下ネタじゃないです、ただのおもしろ切ない話です。朝7時出発のバスで東京に9時間かけて戻りました。車内では3時間ほど寝て(寝るというより気を失う感じでしたが)起きてもう一度3時間ほど気を失いました。気を失って居なかった3時間もほぼ気を失っていたようなもので、何をしていたか全く覚えていません。ただ、車窓に流れる風景を見ながら「昨日俺は本当に関西で工藤遥見たのかなあ。飲んでる間の夢だったんじゃないかなあ」と思っていた事を覚えています。

それからのそれから

バスが新宿に着いたは16時くらいだったと思います。朝からカップ焼きそばしか食っていなかったので新宿でそばを食いました。麺しか食っていない。ちくわ天を追加したらかぼちゃ天もおまけでくれて、大都会で人情を感じました。フラフラと歌舞伎町を歩いてフラフラとサウナに入りデカイ風呂に入りました。「ド畜生、なんなんだ俺は。君は今どこで何をしているんだ」と思いながらサウナのテレビで流れていた僕のヒーローアカデミアを見ました。その足で大宮に飲みに行きました。もうどうにでもなれ、という気持ちでした。少し飲み足りなかったのです。大宮アイドール、大宮アイドール前の飲み屋、大宮アイドール、大宮の来々軒、大宮のガールズバー、と練り歩いて、最後に辿り着いたのは24時間営業の赤羽の中華飲み屋でした。300円でとんでもない量の料理が出て来るし、150円でハイボールとビールが出て来るアホみたいに良い店でした。良い幕切れ。金曜日の早朝から始まった俺の全国同時握手会がようやく終わりを迎えようとしておりました。俺の一人72時間notTVが遂にフィナーレを迎えようとしていたのです。脳内ではサライが流れておりました。


加山雄三, 谷村新司, サライ (2006)

恋をして恋に破れ眠れずに過ごし続ける俺を若大将とチンペーさんが優しく包む。動き始めた月曜朝の赤羽の街角で人の群れに埋もれながら空を見上げました。ハルちゃん吹雪のハルちゃんの空へいつか帰るその時まで夢は捨てない。 

 そして人生は続く

全国同時握手会はですね、ある度に毎回行ってるんですけど、毎回楽しいですね。お祭り感がある。巡礼感もある。つまり神事ですよ神事。このまま200年くらい毎年やって立派な神事、お祭りになると良いと思います。みなさんも次回あったら是非どうぞ。72時間寝られないですけど。

またちょくちょくブログを書いていけたらな、と思っておりますので、次もよろしくお願いします。生きていかなければならない、誰も殺さずに。はてなダイアリーにもっとやばかった時期の日記もございますので、是非そちらも御覧ください。

I&YOU&I&YOU&酒&泪&男&女&部屋&Yシャツ&I

全国同時握手会 中編~中島、師匠に出会うの巻編~

滋賀でループ合戦を観戦する

ハラペコポップコーンボーイ(32)が車内でボーッとしている間にもとみやさんの運転する車は滋賀県の会場に辿り着きました。俺はこのブログでは俺と工藤遥以外の個人名は極力出さないようにしようと思っていたのですが、もとみやさんだけは凄すぎるので名前を出します。この人は本当にスゴイ。漢の中の漢。まず寝ない。漢は寝ない。まるで野生動物。ケモノのようなドライバー。クソハードボイルド。そんで優しい。文句一つ言わないどころかニコニコ運転してる。ずっと。強い男は優しい。もとみやさんを誉め始めるとこのブログが異常に長くなってしまうのでこの辺にしておきますが、マジでもとみや最高。

滋賀県に到着した辺りからそこそこ記憶が曖昧なのですが、確か到着してすぐに会場内のフードコートのような場所でメシを食ったような気がします。岐阜で見た顔ばかりのフードコートで。みんなが食ってるモノが全部美味そうなので「それ美味そう!」って全員に言いました。食べ物クソDD、もしくは幼稚園児。

滋賀は会場が良かったですね。吹き抜けの半屋外で、琵琶湖の近くで風も気持ちよかった。当日は晴天だったのもあって開放感があって素敵でした。地方に行ったからにはああいう謎の会場に行きたいものです。岐阜はショッピングモールの中、京都と三宮はCDショップの中で、特に京都なんて謎の階段前のスペースだったので、そこら辺は今回ちょっとアレだったかもしれません。

握手では、俺の岐阜でのスピードの向こう側握手を見た同行した方々が心配して少しその話をしていたようで、握手した途端に向こうから「別に嫌いじゃないですよ」と言われました。変な気を使わせてしまって申し訳ないな、と思って何か言おうとしたのですが、事前にもう俺は先程撮ったプリクラを胸に貼り付けており、どこからどう見てもふざけようとしている人だったので、そのまま「・・・このプリクラ盛れてません?」と言いました。工藤さんはしょうがねぇヤツだなコイツ、というような顔をして「あーはいはい楽しそうだね!」みたいな事をおっしゃられました。本当にどうしようも無いヤツだな、俺ってやつは、と思いました。思いましたが、邪険に扱われると不思議と「・・・・なんか嬉しい!!」となってしまい、俺は1枚追加で購入してもう一度握手をしてしまいました。

俺のような水呑み百姓の握手が終わると、大地主達のループ合戦が始まりました。おそらく100枚近くの戦いだったと思われます。ルーパーの動きを見たり、それに伴うスタッフの動きを見たりするのは結構楽しいのです。スポーツ観戦的な。もっと客席からヤジったりしても良いのではないか、と俺は昔から思っていますが、ルーパーの人は別にスポーツ選手ではないし、それを見ている人も俺以外の人はスポーツ観戦に来ているワケではないので嫌がるのかもしれません。そういえば池袋のイベントで最後に残ったのが知り合いだったので知り合いの本名を大声で呼んだのですが、ノールックノーレスだった事を思い出しました。やっぱ嫌なのかな。絶対楽しいと思うんだけどな。俺はループ合戦したことないので分からないのですが、もし仮に俺がループ合戦に残ったら「ヘイヘイヘーイ!デカイ方ビビってるよーー!?」とか言われたら多少テンション上がるんじゃないかな、と思いますので皆さん俺がループ合戦した時はどんどんヤジってください。今のところする予定はありませんが。

京都で師匠に出会う

ループ合戦を堪能して、京都へは電車で向かいました。駅までダラダラ歩いて、コンビニでアイス買って、田舎の寂れた駅で10分以上電車を待ちました。なんかいいね!と思いました。田舎の駅は良い、旅情がある。滋賀から京都への電車内ではモーニング娘。’14のドッキリの収録に行った時に、バスの中でおしっこしたくなってどうにもならなくなってペットボトルにした話をしました。この話は何度もしていますが、今回初公開の事実だったのは「俺がいろはすのペットボトルを使いたい理由」です。ここでは教えませんが!!続きはWebじゃなくてリアルで!

握手では、京都で合流したお知り合いの方に俺の背後についてもらって握手を観察していただきました。握手が終わった後感想を聞くと「え?あれ本気ですか?ああいうネタじゃなくて?なんなんですかあの姿勢、逃げようとしてるんですか?」みたいな事を言われました。1回目は何を言ったのか忘れたのですが、握手の内容を伝えると「え?それを言ってなんて返されるのを想定してるんですか?ハルちゃんの気持ちになって考えましたそれ?」と言われました。俺はこう思いましたね「師匠!!!」って。今まで誰も俺に握手を教えてくれなかった。そう、俺はスラムダンクの谷沢君だったのです。

「安西先生。いつかの先生の言葉が近ごろ、よく頭に浮かびます。『お前の為に工藤遥がいるんじゃねぇ。工藤遥の為にお前がいるんだ』ここでは誰も僕にレスをくれません。先生やみんなに迷惑をかけておきながら、今おめおめと帰るわけにはいきません。いつか僕のプレイでみんなに借りを返せるようになるまで、頑張るつもりです。握手の国モーニング娘。の……その空気を吸うだけで、僕は高く跳べると思っていたのかなぁ…」

・・・・・安西先生!バスケがしたいです!俺は谷沢君と同じで握手の基礎を教わらないまま異国の地で試合に出続けていたのです。安西先生がいたらこういうでしょうね「まるで成長していない…だれか中島に基礎を教えるヤツはいるのか…?」って。基礎を初めて教わってビックリしました。ビックリしすぎて追加で握手券を購入して2枚目に行ったのですが、あまりにビックリしていたので工藤遥さんに「アドバイスを貰ったんですよ!ちゃんと工藤さんの返しを考えて話しろって!」と全く返しを考えていない話をしてしまいました。当然工藤さんは「ああ、そうなんですか」みたいな事を言っていました。その話を師匠にしたら「・・・・そりゃそうでしょ!だからそりゃそうでしょ!」と言われました。・・・・またやっちまったーー!!!ってなりました。シロートだからよ!工藤遥と対峙する時の俺には脳みそが入ってねぇんだ!ロックンロール!

<つづけ>

全国同時握手会 前編~スピードの向こう側編~

モーニング娘。の全国同時握手会、略してZDAに行って参りました。全て回って生きて帰って来たモノは居ないと言われている地獄のイベントZDAに。え?全国同時握手会ってなんだか知らない?知らない人のタメに最初にちょっと説明しときますね。

 

妄忍愚娘全国同時握手会・・・

その発祥は、古代中国拳法界においてその規律の厳しさで知られた功南寺で行われた修行にある。

年2回「理利伊須週間」と呼ばれる不眠不休の1週間に開催される一連の修行の中でも最も無慈悲な修行であるとされ、その苛酷さは参加する闘士の9割が死に至るという事実が証明している。

直前に予告される決闘場所まで辿り着いた者が決闘を行い、終了後まだ動けるものだけが次の場所へ向かう、これを日に3回、場合によっては4回繰り返すという荒行である。

開催場所は中国全土にまたがっており、移動するだけで名馬が3頭は死んだと伝えられている。

ちなみに、現代でも必死に努力をしているにもかかわらず報われぬことを『ZDAで鬼ループしている』と表現するのはこれに由来する。

 

 民明書房刊『世界偶像の歴史』より

 

知っているのか雷電!!雷電殿は誰推しですか!?

今回工藤遥さんは岐阜滋賀京都神戸の4箇所を回られまして、その全てに行きました。生きて帰って来たものは居ないと聞いていたのですが、恥ずかしながら生きて帰って来てしまいました。また生き残ってしまった・・・。先に言っておいた方が良いと思うんですけど、これ、別に全部回ったのは「俺が全部回らないと・・・」という使命感とか「俺が行かないとハルちゃんが寂しがるからな・・・」という義務感とかでは全然なく、ただただ「えーー!?遠くで朝から1日4回もやんのー!?なにそれ楽しそーう!キャッキャッ!!」という単純な思いからでございまして、4箇所行った俺スゴイとか4箇所行かなかったヤツはサンピン、とか一切思っておりません。

まあ、この後書いてある内容を見れば「俺がスゴクない、というよりもスゴイダメ、俺が本物のドサンピンだ」というコトがどっちにしろ皆様お分かりになると思いますが。

 

ラクーアから岐阜を目指す

ZDAの話じゃない所から始まってしまい申し訳ないのですが、どう考えてもここから俺のZDAは始まってしまっておりますのでご容赦いただきたい。まともな生活してないヤツあるあるとして「翌日早起きの予定があると寝ないで行こうとする」というのがあると思うのですが、俺もバッチリこのタイプでして寝ないで朝ラクーアに到着してお偉いオタクの方の代講をこなしました。だって、千円くれるっていうから・・・。どうせ行こうと思ってたイベントに並ぶだけで千円、こんな嬉しい事はありません。赤羽でハイボールが6杯も飲めるから、千円あれば。という乞食丸出しの思想でもって、俺はラクーアに並んだり、CDを買ったり、優先券をもらったりしました。朝から行動すると疲れちゃうのでその後は御茶ノ水で銭湯に入ったりカレーうどんを食ったり人のお悩み相談に乗ったりして楽しく過ごしました。いや、お悩み相談は別に楽しく無かったけど。

ぼーっとしているウチに優先入場列のようなモノが出来たのですが俺は「あんな暑い所に並びたくない」というクズのような思いに打ち勝つことが出来ず、結局イベントはほとんど見られませんでした。黄昏に染まるラクーアと、たまに通るクソうざったいジェットコースターの音、遠くから聞こえる楽しげな声、そこに工藤遥がいるのに俺には見えないという事実、それと何故か徹夜明けだった事が相まってなんとなくこの世の終わりのような気分になったことを覚えています。

イベントが終わると握手会とかいうモノが始まったのですが、俺はもう3年もこれをやっているのに全然慣れないので緊張しました。緊張して「あ、っす・・・、あ、っす・・・」と繰り返すだけの機械になりました。その日俺は赤い帽子をかぶっていたのですが、飯窪春菜さんに「あかーい!!」と言われました。何故かそれだけ覚えています。逆に教えて欲しいのですが「あかーい!!」と言われて「あ、っす・・・」以外の何を返せば良いのでしょうか。本当に教えてほしい。

握手が無難(?)に終わったので、その後は岐阜へ向かう車に乗るために人の家に移動しました。メシを食ったりビールを飲んだり風呂に入ったりテレビを見たりして時間を潰すと深夜2時になっていました。時の飛び方が半端じゃない。時の飛び方が半端じゃないし、俺の足の臭さが半端じゃなかった。

車に乗り込んでさあ行くぞ、テンション上げて行くぞ、と思ったのですが、既にこの時点で俺は30時間以上寝てない状態でビールを飲んでいたワケで、強烈な眠みが、、、襲ってこなかったのが逆に怖かったです。何かヤバイ領域に踏み込んだ感じがしました。それでも一応30分ほど気を失ったのですが、まどろみの中で聞こえてくる車内の会話が「ハロプロの中で彼女にするなら誰?」というモノだったので、目が覚めた直後に俺は「地獄かよ・・・」とつぶやきました。

その後は車内で起きている人間が「ドライバー」「リリース週間通じて2時間ほどしか寝ていない人」「俺」の3人だけになってしまい、脳みそが「ここでお前が寝たら死ぬぞ」という強烈な警告を発したので寝ることが出来ませんでした。気が付くと最初の目的地岐阜に到着しておりました。

岐阜で超光速の境地に達する

岐阜の会場近辺に到着したのは確か朝の6時くらいだったと思うのですが、駐車場が開いて居なかったので向かいのディスカウントショップ「ラ・ムー」の駐車場に車を止めました。車を止めて会場の様子を見に行くと既に何人か並んでおられました。異常な人間は俺達だけじゃなかったんだ・・・という謎の安心感がありました。むちゃくちゃ気怠い空気に包まれている早朝のショッピングモール前に並ぶには少し気合が足りず、俺達は車の中でダラダラする事にしました。一応車を止めさせてもらうのでディスカウントショップで買い物をしようということになったのですが、この店が異常に安くて妙にテンションが上がりました。100円でアホみたいに入ってるポップコーンと28円の栄養ドリンクを買ってウキウキで過ごしていたら、いつの間にかイベントの時間になっていた、というような感じです。ディスカウントショップ大好き!!(32歳独身男性)

ラ・ムーが大好き過ぎて優先入場券が売り切れで買えなかったので、俺達はショッピングモールの2階から工藤遥のイベントを見ることになりました。近くに居たジジイが女の子の足の間からイベントを見ようとしていました。キチガイのオタクとかではなく、単に地元のエキセントリックなジジイだと思います。世の中はアタマのおかしいヤツで溢れている。俺はニヤニヤしながらそのジジイを見つめました。プリクラを撮った時にゲームコーナーで買ったアンバサを飲みながら。ああ、俺も確かに狂っている。この狂ったセカイに乾杯。

寝不足が俺を侵食しはじめていたのですが、握手はしなければなりません。何故なら俺は工藤遥と握手するために2徹で岐阜までやって来ているのですから。決してディスカウントショップで無茶苦茶デカイポップコーンを買うために来たわけではないのです。あのポップコーン、一口目は「味薄っ!!」と思うのですが、素材本来のうまみがあるのか、何故かやみつきになって止まらなかった。止まらない!!

・・・ポップコーンのレビューはどうでもいいのです。工藤遥との握手の事を書きたい。俺は握手が苦手なクセに握手のための努力、というか言うことを考えていくというような一般的な用意を一切しない悪い癖がありまして、この日も全くのノープランで気がついたら工藤遥を目の前にしておりました。こう言うと語弊があるかもしれませんが、この日の工藤遥は非常に状態が良かった。工藤遥に状態が悪い時などないのですが、しかし、この日の工藤遥は状態が良いとしか言いようが無かったのです。元々真っ白だった頭がさらに真っ白になってしまい、俺の口から出た言葉は「・・・いやー。もう、眠いです」でした。なんなんだ俺は!!何これ!何言ってるの俺!!?何の話なのこれ!?2徹で岐阜まで行って開口一番眠いですって何!!?バカなんじゃないの!?いや眠かったけど!!それに対する工藤さんの言葉は「あー、眠いんだねー」でした。この間わずか0.2秒!ハガシが俺の肩に手を置く暇もなく工藤さんは次の人に視線を移しました。

まあ、もちろんね、これは俺が何言ってんの、って事ではあるんですけど、しかしあまりにも異常に早かったので俺は思わず「フハハ!!」って結構普通に笑ってしまいました。だってあまりにも早かったから。俺の握手を見ていた方にも「中島さんの握手早すぎ」とツイートされるくらい明らかに俺だけ異常に早かった。多分あの会場で握手した人の中で最速、っていうかあの日握手した人の中で最速だったんじゃないでしょうか。俺が最速の男だ。これがスピードの向こう側なのか。天羽”セロニアス”時貞クン・・・これがそうだと言うなら俺はこんな所へ来とうはなかった!!

 スピードの向こう側がとんでもないセカイだったので、流石の不死身ゾンビ体質の俺も多少のショックを受けてしまい、フラフラと歩きショッピングモールの駐車場を望むベンチに腰掛けてタバコを吸いました。何か考えようと思ったのですが、しかし、俺にはもう何か考えるような気力も体力も残っていませんでした。持っていたポップコーンをポリポリ食いながらだだっ広い駐車場を眺め「これが岐阜か・・・なんもねぇな岐阜・・・」と思いました。

俺が打ちひしがれている間に、工藤さんは見事にCDを完売させておられました。エライ!スゴイ!良かった!俺の打ちひしがれになんて関係なく世界は回るし、神は個別の事象に対して何かするような事はないのです。打ちひしがれてたって仕方ない、俺は次の目的地に向かうしかないのだ。強く生きよう。それはそれとして腹が減ったな、滋賀でなんか食いたいな。そう思いながら俺はいつまでも、無駄にデカイポップコーンをポリポリしたのでした。

<つづけ>